• 2020.12.12

    デザインだけじゃなく、生地の状態から完全オーダーメイド

ー 斎藤さん
服って、糸を買って、機屋(はたや)さんに織ってもらって、生地加工をすることで服地になるわけです。
※機屋(はたや):糸を織って布状にする仕事のこと

服地をデザインし、裁断して製品を仕上げて、Sympaの店頭に並ぶ。
そういった工程の中でデザインサイドから「優しい布」とかって要望が出てくるので、それを表現するためにはどうしたらいいか…。「痩せて見える」って言われれば、どうすればいいか…。

そういったところは糸の番手であったりとか、織り方であったりとか、打ち込みの密度だったりとか、いろんな材料があるので迷路にハマるんですけど…。テーマははっきり「柔らかい」と言われるので、そこに向かって機屋さん含めて一緒に向かっていくような仕事です。
言葉にしてみるとかっこいいんですけど、実際には泥臭い仕事ですよ。糸の埃まみれになって作業しているような。

ー 牧原さん
たいていのアパレル屋さんって、一枚の生地から何枚の服が作れるかっていうのを考えるわけですよ。1枚の生地からたくさん服を作れた方が材料費が安く上がりますからね。生地量がちょっと足りない時っていうのは服をほんの少し小さくして対応したりするんです。見た目には何もわかりませんしね。
でも実際に着てみると違うんです。服には着心地ってものがありますから。

cinqは生地を立体で人間に着せてチェックしてから作っています。人間の体に合わせて作るので型紙も曲線だらけになるんです。直線ってものは出てこないんです。人間の体っていうのは曲線でできていますからね。

でもその型紙を生地に落としてみた時、普通のアパレルに比べてかなりの量の生地が必要になっちゃうんです。型紙が曲線だらけになっちゃいますからね。

ここで普通のアパレルだったら生地を節約するために曲線を直線に直してみたりするんですけど、cinqは着心地に拘って作っているので曲線は曲線のまま。生地がたくさん必要になるなら、必要なだけ準備するっていう。
実は、この段階で曲線を無理やり直線にしてしまった服って着心地が悪いんです。

生地をたくさん使ってでもデザインを再現するのは着心地のため

cinq symphonieデザイナーインタビュー

ー 牧原さん
例えば曲線を使ったAラインにしようと思ったら、cinq symphonieの場合は生地が倍必要になっちゃうんです。他のメーカーさんだったら1着の服に対して生地1着分で済むようなところ、cinqは2.5着分使って1着の服を作ったり。

なんでそんなに生地をたくさん使うのって言われますけど、いやいや、着心地が全然違うんです。人間の体に合った物を作るというのは効率だけ見ていては作れない物なんですよね。
メーカーは工業化しているので無駄のないようにキチッとした物を作るんですけど、cinqはたくさんの生地を使ってでも着心地を最重視しています。

私が考えるデザインっていうのは見た目だけではなくて、中身が最も大事。

スマートフォンだって同じじゃないですか。見た目がかっこいいっていうよりも、みんな中身、機能を重視していますよね。

服も見た目だけじゃなくて着心地が良くないと。着心地がいいように体にあったものじゃないと、逆に見た目も綺麗じゃないんですよね。

ー 斎藤さん
着心地がいいものってなんだろうって考えた時、これは永遠のテーマですね。

試作して「出来上がりました。」って言っても、「これよりもっと着心地の良い服あるよね。そうするには方法ないの?」って聞かれるんです。

型紙で「ここのカーブはこうした方がアームホールが楽になるよね。これ以上で突っ張るのはなしだね。」ってみんなで話し込んで型紙を作るんです。
それを生地に当て込む、…すると、生地量が半端ないことになってえらいこっちゃって。

例えば、普通の布は112cm幅。
お洋服の裁断屋さんからしたら108cmに有孔幅を修めるっていうのが常識なんです。でもcinq symphonieの場合はその規格に入らないんです。着心地重視で大きく作ってますから。

だから、「125cmで織って、122cmの有孔幅なら入るから、そうするわ。」って。

普通そんなことしないんですけどね。だけど、このcinq symphonieチームはそれを要求してくるからやらなきゃしょうがない。

着心地もそうだけど、「痩せて見える方がいい。」って要望が出てきたり。

痩せて見えるってどうしようかと思ったら、たらんってした落ち感を出すのがいいなと。今のやつよりもっと落ち感を。今のままじゃあかんって。

そんな時は生地にレーヨンを打ち込むんです。リネンを2本打って、レーヨンを1本打つ。レーヨンの糸ってたらたらしているので落ち感が出やすくて、痩せて見えるんです。角度によりますけど。

ケースバイケースですけど、要望を叶えるために各工程でやれることは全部やってますね。

着心地を追求した結果、形だけじゃなく生地の調整も必要に

ー 牧原
「着心地がいい」って簡単にいうけど、かなり奥が深いんです。まだまだ、もっと良いものができると思ってます。

ー 斎藤さん
糸があります。生機織ります。服地にします。

お洋服が出来上がるまでにはこの工程があるんですが、多くのアパレル店は服地になった物を買っているケースが多いんです。となると、先ほどのお話みたいに生地の幅を変えるってことができないんです。つまり、既存の規格でしか服が作れない。

私たちは糸を買って機屋さんに織ってもらってるんです。織り上がった物を生地の染工場に持っていって、生地に加工してもらってるんです。

なので、生地幅変えてって言われたら変えれますし、完全に全てオーダーメイド。一般的なアパレル屋さんは生地屋さんから生地を買うんですけど、私たちはその生地から独自で作ってますから。

ー 牧原
パン屋さんに例えると、パンって小麦粉が必要じゃないですか。
私たちは小麦の畑に種を撒くところから行ってるんです。小麦を育てるところからやってるんです。
小麦の種を撒いて、収穫して、精米して、小麦粉にするんです。普通のパン屋さんは小麦粉を買いますけど、私たちはその小麦から育ててる。

有機野菜だって、無農薬の野菜って倍くらいの価格がしますよね。それは、原材料まで全部管理してるからですよね。

それと同じようなイメージ。
リネン100%っていうところも、自分たちで生地を作ってるのではっきりとリネン100%って分かってるんです。

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